はじめに
ReactでのWeb開発経験を活かして、React Native + Expoでモバイルアプリを作れるようになるための入門書です。
「モバイルアプリを作ってみたい。でもアプリ開発は敷居が高そう」。Reactは書けるけれど、XcodeもAndroid Studioも開いたことがない。この本は、そんなWebフロントエンドエンジニアに向けたReact Nativeの入門書です。
Expoなら環境構築は数分で終わります。コンポーネントもHooksもデータフェッチも、Reactで書いてきたとおりに書けます。学び直しが必要になるのは、DOMやCSS、ブラウザAPIがない環境での書き方と、モバイル特有の作法くらいです。本書はその差分に紙幅を割きます。
全21章を5部構成に分けました。第1部から第3部でReact NativeとExpoの基礎を押さえ、第4部ではTODOアプリをひとつ作り上げ、EAS Buildでストアに公開するところまで進みます。第5部で扱うのは、ネイティブ機能の自作、Coding Agentを使った開発、SDKアップグレードへの追従です。読み始めるなら第1章 はじめにからどうぞ。
この本で学べること
- Expoでプロジェクトを作り、実機やシミュレータで動かすまでの手順
- ReactとReact Nativeの共通点と相違点。Webの知識がどこまで通用するか
- View・TextなどのコアコンポーネントとStyleSheet API。DOMとCSSの代わりに何を使うか
- Expo Routerでのファイルベースのルーティングと、カメラや通知といったネイティブ機能の使い方
- TODOアプリを実装し、テーマ対応やテストを整えて、EAS Buildでストアに公開するまで
- Coding AgentとSkillsを前提にした、いまのReact Native開発の進め方
対象読者
- ReactやNext.jsでのWebフロントエンド開発の経験がある
- TypeScriptの基本的な型は読み書きできる
- npmなどのパッケージマネージャとGitは普段から使っている
- モバイルアプリは作ったことがない、もしくは過去に挫折した経験がある
iOS/Androidのネイティブ開発経験は前提としません。SwiftやKotlinを書いた経験がなくても読み進められます。第19章でネイティブコードを少し書く場面は出てきますが、そこも含めてExpoの仕組みでカバーできる範囲を中心に扱います。
開発マシンはmacOSが最も無難です。iOSシミュレータを使うにはmacOSとXcodeが必要ですが、Android実機があればWindows/Linuxでも一通り進められます。なおExpo GoはSDK 55以降ストアから入らなくなっており、iPhone実機で使うにはApple Developer Programが必要です。詳しくは第4章で扱います。
サンプルコード
本書で作るTODOアプリのコードは、kazutoyo/react-native-todo-app-sampleで公開しています。
完成形を先に触りたい場合は、クローンしてnpm installすれば手元で動きます。